ブレゲ トラディション 複雑化への予言書①

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“伝統”を意味するモデル名を冠し、2005年に生まれたブレゲの「トラディション」は、初代アブラアン-ルイ・ブレゲの懐中時計から多様なディテールを受け継ぐ。
同時に誕生から10周年の今年、新たに3つのモデルが追加されたトラディションは、ブレゲの中で最も先鋭的な機構をラインナップするに至ってもいる。
トラディションのこの多様な機構の展開は、実は10年前に予言されていたとも言えるのだ。
時分針をオフセットした特徴的な外観に、その予言の根拠を読み解くことができる。

 

ギミックを超える精度と実用性 ムーンフェイズ再発見①

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人類は古くから、月と付き合ってきた。
月は、その満ち欠けも手伝ってか
融通無碍な捉えどころのなさも魅力のひとつであった。
誤解を恐れずに言えば、変化こそが、月の魅力の本質なのかもしれない。
機械式時計の世界においても、近年は、各社一層積極的に、
高精度化や多様な表現手法を競い合うようになってきた。
本特集では、「月相」と「月齢」の基本から、高精度化への挑戦まで
ムーンフェイズの嗜み方を指南する。

 

[アイコニックピースの肖像 29] リシャール・ミル トゥールビヨン ①

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2001年のブランドローンチ以来、
高級時計業界を席巻してきたリシャール・ミル。
目を惹くのは斬新なデザイン、途方もない高価格、
そして大胆なマーケティングだが、躍進の理由は別にある。
リシャール・ミルの核にあるもの作りの哲学を、
同社の代表作であるトゥールビヨンを通して俯瞰することにしたい。

 

想像力を凌駕する創造力の成果

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今年のS.I.H.H.とバーゼルワールドを、停滞と見るか、躍進と見なすか。

どこに着目するかによって、見解が大きく分かれるに違いない。

しかし、一部メーカーに限っていえば、

その新製品は非凡なパッケージングと、それ以上に斬新なメカニズムを備えていた。

しかも、その質は、かつてのようなプロトタイプ然としたものではなく、

すぐにでもレギュラーモデルになるほどのまとまりを備えていたのである。

革新的なメカニズムはいかにして生まれたのか。

その現場をスイスとドイツに訪ねた。

 

ピュアジャーマンを受け継ぐグロスマンムーブメントの全貌❸ 

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初作となったベヌーが搭載した第1世代ムーブメントの「Cal.100.0」。

この傑作をモリッツ・グロスマンはそのままにはしなかった。

さらに手を加えて完成したのが、第2世代の「Cal.100.1」と「Cal.100.2」である。

外観上の特徴はほとんど同じ。しかしその中身は大きく変更されている。

モディファイの内実は、シュナイダー氏の設計思想をより明確に感じさせるものだ。

高級時計の定義と未来予測 / 2016年03月号(No.62)

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果たして高級時計の定義とは? ミドルレンジとハイクラスを分ける境界線はどこにあるのか?

価値基準の揺らぎが激しい時計市場において、業界に身を置く識者たちが単独で、

あるいは対談というかたちでその基準値を自らの見識でもって余すところなく語った。

また、アップルウォッチに代表されるコネクテッドウォッチは高級時計と共存するのか?

今、業界の争点になっているホットな話題にも鋭く言及する。

 

[アイコニックピースの肖像 31] ウブロ ビッグ・バン Part.2 ウニコ&コンプリケーション

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2005年の発表以降、現在も快進撃を続けるビッグ・バン。
しかしここまでの支持を得た理由は、
ウブロの卓抜したマーケティング手腕だけではない。
同社は毎年のようにビッグ・バンを改良。
独自の新素材を積極的に採用するだけでなく、ケース形状も刷新し、
自社製ムーブメントやコンプリケーションまで戦列に加えたのである。
誕生からの10年で大きく変わったビッグ・バンを、いま改めて俯瞰する。

 

先端ウォッ チメーカー R&D最前線 / 2016年03月号(No.62)

急速に成長を遂げた後、猛烈な勢いで成熟しつつある現代の時計市場。

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その時計産業をリードする各社は今、相反するアジェンダに向き合っているに違いない。
より多くの時計愛好家や消費者を引き付け、彼らに驚きを与えるため、
どこよりも“革新的”で“独創的”なプロダクトを追求する一方、
ますます審美眼が陶冶され、要求水準が厳しくなる
多くの消費者やユーザーを納得させるために、
いかにして“信頼性”と“安心感”を担保するのか?
機械式時計という複雑かつ緻密な“工業製品”の精度を上げ、付加価値を一層高めるため、
各社が格闘する“独創性”と“信頼性”の相剋の現場=“R&D”の最前線をリポートする。

 

日本伝統の漆蒔絵技術とスイス伝統の機械式時計技術の融合から

毎年、手仕事による芸術と自らの芸術的な時計技術を融合させたアートな時計コレクション「メティエダール(職人の手仕事による芸術、という意味)」を発表しているヴァシュロン・コンスタンタン。今年のテーマは「蒔絵」。そしてコラボレーション・パートナーとして1611年創業の京都の漆器製造元「象彦」が選ばれた。合わせて600年の歴史を持つ2つの偉大なメゾンのコラボレーションから生まれた「腕に着ける芸術品」は、3本のセットで全世界20セットのみ販売される。なお搭載ムーブメントは、手巻きの1955にも使われているキャリバー1003のスケルトンバージョンである。

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すべて手巻き、直径40mm。写真左から、ピンクゴールドケース(梅と鶯)、ピンクゴールドケース(松と鶴)、ホワイトゴールドケース(竹と雀)。3本セットで2772万円(予価)、2010春発売予定

十八番の分野で世界を唸らせる新作が続々

ピアジェほど多様なイメージをもつウォッチブランドはめずらしい。ピアジェといえばやはり、ハリウッドスターをはじめとするセレブリティが映画祭などのイベントで身に着ける、ダイヤモンドなどの宝石やゴールド素材を贅沢に使ったハイジュエリーやウォッチの、きらびやかなイメージが浮かぶことだろう。

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しかし時計愛好家にとってピアジェといえば、何よりも素晴らしい機械式&クォーツムーブメント、とくに超薄型の機械式ムーブメントを得意とする「スイス屈指のマニュファクチュール」なのである。今年は昨年に引きつづき、どちらのイメージにおいても期待を裏切らない、秀逸なコレクションが登場した。

 いちばんのトピックは何といっても、同社が1960年に開発し当時、世界自動巻きで世界最薄の2.3mmを実現し、今もなお現役で使いつづけられている超薄型自動巻きムーブメントの名品「キャリバー12P」の誕生50周年を記念した新型自動巻きムーブメント「キャリバー1200P」搭載の2針モデル。そしておなじ基本仕様をもつスモールセコンド付きの「キャリバー1208P」を搭載したレギュラーモデルだ。いずれも現在自動巻きで世界最薄ケース厚のモデルが登場したこと。その薄さと美しさは感動的である。