ハーレーに挑むBMW ヨコハマ・ホットロッド・カスタムショー

入場料金は3900円(当日券)と、この手のイベントとしてはやや高価であるにもかかわらず、当日は開場前から長蛇の列ができるなど、昨今のカスタムカー人気を象徴するような盛況だった。昨年は約1万7000人もの来場者を集めたが、今年は1000人上回る約1万8000人が訪れ、そのうち1700人は海外からの来場者だという。

 「ホットロッド」とは1960年代に米国で始まったカスタムカーのジャンルのひとつだが、このイベントではそれに限らずさまざまなスタイルのカスタム車両が展示されている。強いて言えば「アメリカンスタイル」というのがここに展示される全車両の共通項だろうか。

 筆者がとくに注目したのは二輪車のブースである。というのも昨今のバイクシーンを語るうえで、「カスタム」は欠かせないキーワードとなっているからだ。これまでカスタムというのは、あくまでユーザー主導で行うものだったが、昨今はメーカー自らカスタムとの親和性を声高にアピールする新型車を続々とラインアップしているのだ。

 かねてカスタムシーンで絶大な人気を博しているハーレー・ダビッドソンに加え、BMWやドゥカティ(イタリア)、トライアンフ(英国)といった欧州メーカー、さらにヤマハなどの日本メーカーも著名なカスタムビルダーとコラボレーションするなどのプロモーションを欧州で展開している。

 近年人気の「ネオレトロ」(フォルムはクラシックながら走りは最新のバイク)と呼ばれるカテゴリー、たとえばBMWの「R nineT」やドゥカティ「スクランブラー」、トライアンフ「ボンネビル・ボバー」、ヤマハ「XSR」、カワサキ「Z900RS」といった車種はまさにそうしたカスタムシーンを初めから意識して作られたマシンである。

 なぜそのような潮流が生まれたかというと、世界的にバイクがこれまでよりもさらに趣味性の強い乗り物として認識され、売れるようになったからだろう。乗り手のスタイルを表現するファッションとしての側面が濃くなっているのだ。

 いまこうしたカスタムショーは、いわば“モビリティー版パリコレ”のようなものになりつつある。国内外の腕利きのビルダーたちによって仕上げられたマシンは次世代の流行を先鋭的に表現したモード服に近いものといえるだろう。