十八番の分野で世界を唸らせる新作が続々

ピアジェほど多様なイメージをもつウォッチブランドはめずらしい。ピアジェといえばやはり、ハリウッドスターをはじめとするセレブリティが映画祭などのイベントで身に着ける、ダイヤモンドなどの宝石やゴールド素材を贅沢に使ったハイジュエリーやウォッチの、きらびやかなイメージが浮かぶことだろう。

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しかし時計愛好家にとってピアジェといえば、何よりも素晴らしい機械式&クォーツムーブメント、とくに超薄型の機械式ムーブメントを得意とする「スイス屈指のマニュファクチュール」なのである。今年は昨年に引きつづき、どちらのイメージにおいても期待を裏切らない、秀逸なコレクションが登場した。

 いちばんのトピックは何といっても、同社が1960年に開発し当時、世界自動巻きで世界最薄の2.3mmを実現し、今もなお現役で使いつづけられている超薄型自動巻きムーブメントの名品「キャリバー12P」の誕生50周年を記念した新型自動巻きムーブメント「キャリバー1200P」搭載の2針モデル。そしておなじ基本仕様をもつスモールセコンド付きの「キャリバー1208P」を搭載したレギュラーモデルだ。いずれも現在自動巻きで世界最薄ケース厚のモデルが登場したこと。その薄さと美しさは感動的である。

ピアジェ アルティプラノ自動巻きモデルで世界最薄、ケース厚5.25mmを実現

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1960年に開発され、今もなお現役で活躍する超薄型自動巻きムーブメント「キャリバー120P」。そのあとを継ぐべく、完全新設計の超薄型自動巻きムーブメント「キャリバー1208P」を搭載するメンズの新型ドレスウォッチが登場した。22K素材のマイクロローターを使った巻き上げ機構を搭載したスモールセコンド付きムーブメントの厚さは、12Pよりもわずかに0.5mm厚い2.35mm。これは耐久性を重視した結果であり、ケース込みでは現在、市販されているモデルで世界でもっとも薄い5.25mmを達成している。アルティプラノならではの、薄型ながら3層構造の文字盤による立体的な顔、いつまでも飽きのこないシンプルなデザインも好ましい。なお、同時に発表されたおなじ基本仕様をもつ、スモールセコンド付きではなく2針のアニバーサリーモデルに搭載された「キャリバー1200P」は、マイクロローターにプラチナ素材を使っている。

トゥールビヨンにくわえて、レトログラード・デイト機構を搭載

まるで空中に浮いているように見える、1分間に1回転する12時位置のトゥールビヨンで2008年のS.I.H.H.の話題をさらった「ポルトギーゼ・トゥールビヨン・ミステール」の後継・発展モデル。トゥールビヨンと3時位置のパワーリザーブ・インジケーターにくわえ、7時と8時のインデックスのあいだに回転軸をもつレトログラード・デイト機構をあらたに搭載。レトログラード針は1日から31日を表示し、31日から1日を迎えたときに自動的に1日にリセットされる。特筆すべきは、小の月や2月に必要になる日付の早送りをはじめ、すべての操作がリュウズひとつで可能なこと。またあらたにレトログラード・デイト表示機構を追加しながら、「トゥールビヨン・ミステール」同様に7日間のロングパワーリザーブ(フル巻き上げ状態なら静止状態でも高い精度で7日間は動きつづける)を実現している点もすばらしい。

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自動巻き、レッドゴールドケース、アリゲーターストラップ、シースルーバック、ケース径44.2mm、1045万8000円、2010年夏発売予定。

ブレゲのプレ・バーゼル、ジュネーヴで新作を発表

先の1月20日、スイス ジュネーブにて開催されたブレゲのプレ・バーゼルにて、今年の新作が発表された。登場したのは「トラディション トゥールビヨン・フュゼ シリシオン」。あらたにシリコン素材のブレゲひげぜんまいを搭載したモデルである。

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1795年にブレゲの創始者であるアブラアン-ルイ・ブレゲが考案した「ブレゲ式オーバーコイル(ブレゲひげぜんまい)」。ぜんまい外側の先端を内側へとカーブさせたこのひげぜんまいはすぐれた等時性を得るために発案され、いまでもたくさんの時計に採用されているものだ。

通常ひげぜんまいはメタル製でできているため、振動や磁気、重力の影響などによりゆがみが生じることがある。そこでブレゲはこのムーブメントの主要パーツへと、長い時間をかけて探求を重ねてきた。その開発には、酸化を防ぐためのゴールド製ひげぜんまいや、ブレゲの「マリー・アントワネット」に使用されている等時性改善のための円筒形ひげぜんまいなどがある。

アイコニックで存在感のあるジュエリーを贈り合いたい

存在感のあるジュエリーを贈り合いたい

グッチのアイコンのひとつであるオリジナルGGパターンがエンボス加工されたリングは、シンセティックコランダムの独特のブラックにホワイトゴールドのラインが効いたシックなデザイン。ちなみにシンセティックコランダムとは軽く、また強度が強いので飛行機の圧力隔壁にも使用されるほど。傷になりにくいのが特長なのでブラックジュエリーになじみのない人にもぜひおすすめしたい。幅の細いタイプは男性のピンキーリングとして、また幅違いでペアでつけてもいい。

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ブラックルテニウムのツヤ感が品格をかもし出すブラックジュエリーは、ファッションショーで発表されて以来、絶大な人気を得ていまでは定番となった、グッチのメンズジュエリーを代表するアイテム。またおなじデザインでやや小ぶりなシルバーのタイプもあり、女性とさりげなくペアでつけられるのも魅力。同シリーズではリングも展開している。

加速度センサーを搭載し、機能性を進化させた一本

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一方、セイコーインスツルのスポーツウォッチ「SOMA」からも新作「RunOne 300PACE(ランワン300ペース)」が登場。個々のペースを守りながら距離を伸ばしていく長時間のランニングは、自分の走行距離やスピードなどをきちんと把握しておくことも大切な作業。ニューモデルでは従来のクロノグラフ機能にくわえ、新たに歩数計測が可能な加速度センサーを搭載することで推定スピードやペース、推定走行距離を走りながら確認できるようになった。あらかじめ歩幅や体重を設定しておけば、個々のスピードやペース、消費カロリーをリアルタイムで表示してくれる仕組みだ。ディスプレイもランナーに見やすい30度に傾いた大型サイズのLCD表示。走行ペースの状態をグラフィックで見ることができるので、ランニングにもいっそう励みが出るうれしい一本だ。

九州男児が好む実用時計の意外な選択基準

「本当は、すべて“IWC”の新作だけでノミネートが埋まってしまうのではないかと心配しました」

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木村さんのセレクト基準は「信頼性」。機械の耐久性と同時に、正確に時を刻む基本設計の精度も実用時計には不可欠であると話す。

「“IWC”は洗練されたデザイン性が優秀ですが、確かな信頼性も備わっています。ビッグ・パイロットの文字盤を白に切り替えたことも注目に値しますね。日本限定モデルの登場に、もう時計はこれ一本でいいのでは、と思ってしまったほどです」

「ブライトリング」や「ベル&ロス」など、パイロットウォッチの使用感の良さも、実用的と太鼓判。

「ボタンひとつで、すべての機能が使えるのは便利な機能。それに一般的なカレンダー時計は、カレンダーの修正をしてはいけない時間帯があったり、リュウズを逆回転して表示を調整するのはNGなど、面倒なものです。“パネライ”や“ブライトリング”は、そんな面倒な約束事を知らない機械式時計初心者が安心して使えるという点でも実用性アリと言えるのではないでしょうか」

「エドックス」や「ボーム&メルシエ」など、買いやすい価格設定のモデルも実用時計にご推薦いただいた。ちなみに九州ではここ数年ビッグフェイスの人気が継続中とか。

「男らしくて雄々しい印象がありますからね。小さい時計は、人間もなんとなくコンパクトにまとまってしまうと思われるようです。九州男児は、時計も心意気も大きいです!」

時計宝飾店カミネ代表取締役社長 山田時計

ハイレベルな時計こそ初心者の「実用時計」

「自然界におけるあらゆる過酷な環境下で、正確に時を刻めてこそ真の実用時計だと考えます。耐久性と信頼性を同時に満足させる時計こそ、実用として価値ある腕時計です」

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そのお眼鏡に適ったのは「IWC」インヂュニア・オートマティック・ミッション・アース。前モデルよりケースが大型化し、リュウズガードも搭載された。ムーブメントには耐衝撃システムを組み込み、ラバーストラップでスポーティな意識も高い。

「安定した精度を保て、過酷な環境にも耐えることができる実用時計としては“ボール”が挙がってきます」

同社が誇る耐衝撃特殊バックルと、セーフティロック・クラウンシステムのデザイン変更により、世界最高峰の耐衝撃性能を実現。夜間の視認性を高めるマイクロ・ガスライトなど、実用性に優れるスペックを装備した新作のエンジニア ハイドロカーボン。宇宙飛行士、ブライアン・ビニー氏とのコラボレートモデルである。

「さらに長期使用にも耐えることができ、ローコストで愛用することができる“オメガ”や“ガランテ”も実用時計としてはずせません」

故障などの心配がなく、しかも購入時の初期投資費用も低く抑えられることが重要とは、買い手側からの要求もしっかり理解したうえでの選択。初の自社ムーブメント「B-01」を搭載した“ブライトリング”も、機械式初心者にも安心して使えることを理由に上位に推挙。「実用」とは、環境だけでなく使い手のレベルをも問わないことと、再確認させてくれた。

ベスト販売代表取締役社長 石田憲孝 選

「実用とは“使う”こと。使わないもの、ただ飾っておくもの、必要以上に丁寧に扱わなくてはいけないものを“実用”とは思いません」

本企画の選者を依頼するにあたり、石田さんが実用時計を選ぶとき手にする回数が多いものこそが「もっとも実用的な時計」になるだろうとGQ JAPAN編集部でも予想していた。そこに価格の制約やカテゴリーの枠は不要ゆえ、自由な石田さんの感性を望んだのだ。

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「現実的にこの企画を熟考したら、頭に浮かぶ時計は“ロレックス”なのかもしれません。ちなみに“Gショック”はノミネートに入れませんでしたが、もし時計としてふくむなら、実用時計ナンバー1だと思います」
そう言いながら、『GQ』の読者層にふさわしい時計を選出。結果は納得のものとなった。

「1815は高価ですが、“ランゲ”のなかではエントリーモデル。この価格帯としては安定供給されています」。
時計は雑貨とちがい、安価=価格が安いという意味ではない。しかし誰にも手が出ない価格のものは実用的ではないのだと付けくわえながら。そして、どんなに安くて良いものであったとしても、そこにモノとしての“魅力”がなければいけないとも。

「実用時計は、実際に使われていて、便利で、何かしらの効果があるもの。それは時間を知る、計る、そして時間を楽しめるという効果。人生を豊かにするツールなのですから」

日本人初!ゼニスのアンバサダーに上原浩治投手が就任

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ゼニスはアメリカメジャーリーグで活躍するボストン・レッドソックスの上原浩治投手と日本人初となるブランドアンバサダー契約を結び、2月2日に都内で就任式が行われスポーツモデルの「エル・プリメロ ストラトス スピンドリフト」が授与された。上原投手は多くのマスコミの前で緊張した様子で、『日本人初のワールドワイドのアンバサダーということで責任を感じている。ブランドの名に恥じないよう新たな気持ちでシーズンにのぞみたい。』と語った。

 

もともと腕時計好きで20本ほどを所有しており、ゼニスのユーザーでもあった上原投手。『ゆくゆくは上原浩治モデルも良いですね。それもシンプルで日常的に誰もが使用できるデザインが理想。売れないと僕が全部買わないといけないので・・・』とトークで会場を沸かせる場面もあった。今シーズンの目標においては『毎年、今年が最後と思ってやっている。一年でも長く現役を続けることが目標』とも語り、今後の活躍が期待される。