ピュアジャーマンを受け継ぐグロスマンムーブメントの全貌❸ 

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初作となったベヌーが搭載した第1世代ムーブメントの「Cal.100.0」。

この傑作をモリッツ・グロスマンはそのままにはしなかった。

さらに手を加えて完成したのが、第2世代の「Cal.100.1」と「Cal.100.2」である。

外観上の特徴はほとんど同じ。しかしその中身は大きく変更されている。

モディファイの内実は、シュナイダー氏の設計思想をより明確に感じさせるものだ。

高級時計の定義と未来予測 / 2016年03月号(No.62)

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果たして高級時計の定義とは? ミドルレンジとハイクラスを分ける境界線はどこにあるのか?

価値基準の揺らぎが激しい時計市場において、業界に身を置く識者たちが単独で、

あるいは対談というかたちでその基準値を自らの見識でもって余すところなく語った。

また、アップルウォッチに代表されるコネクテッドウォッチは高級時計と共存するのか?

今、業界の争点になっているホットな話題にも鋭く言及する。

 

[アイコニックピースの肖像 31] ウブロ ビッグ・バン Part.2 ウニコ&コンプリケーション

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2005年の発表以降、現在も快進撃を続けるビッグ・バン。
しかしここまでの支持を得た理由は、
ウブロの卓抜したマーケティング手腕だけではない。
同社は毎年のようにビッグ・バンを改良。
独自の新素材を積極的に採用するだけでなく、ケース形状も刷新し、
自社製ムーブメントやコンプリケーションまで戦列に加えたのである。
誕生からの10年で大きく変わったビッグ・バンを、いま改めて俯瞰する。

 

ピアジェ アルティプラノ自動巻きモデルで世界最薄、ケース厚5.25mmを実現

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1960年に開発され、今もなお現役で活躍する超薄型自動巻きムーブメント「キャリバー120P」。そのあとを継ぐべく、完全新設計の超薄型自動巻きムーブメント「キャリバー1208P」を搭載するメンズの新型ドレスウォッチが登場した。22K素材のマイクロローターを使った巻き上げ機構を搭載したスモールセコンド付きムーブメントの厚さは、12Pよりもわずかに0.5mm厚い2.35mm。これは耐久性を重視した結果であり、ケース込みでは現在、市販されているモデルで世界でもっとも薄い5.25mmを達成している。アルティプラノならではの、薄型ながら3層構造の文字盤による立体的な顔、いつまでも飽きのこないシンプルなデザインも好ましい。なお、同時に発表されたおなじ基本仕様をもつ、スモールセコンド付きではなく2針のアニバーサリーモデルに搭載された「キャリバー1200P」は、マイクロローターにプラチナ素材を使っている。

ブレゲのプレ・バーゼル、ジュネーヴで新作を発表

先の1月20日、スイス ジュネーブにて開催されたブレゲのプレ・バーゼルにて、今年の新作が発表された。登場したのは「トラディション トゥールビヨン・フュゼ シリシオン」。あらたにシリコン素材のブレゲひげぜんまいを搭載したモデルである。

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1795年にブレゲの創始者であるアブラアン-ルイ・ブレゲが考案した「ブレゲ式オーバーコイル(ブレゲひげぜんまい)」。ぜんまい外側の先端を内側へとカーブさせたこのひげぜんまいはすぐれた等時性を得るために発案され、いまでもたくさんの時計に採用されているものだ。

通常ひげぜんまいはメタル製でできているため、振動や磁気、重力の影響などによりゆがみが生じることがある。そこでブレゲはこのムーブメントの主要パーツへと、長い時間をかけて探求を重ねてきた。その開発には、酸化を防ぐためのゴールド製ひげぜんまいや、ブレゲの「マリー・アントワネット」に使用されている等時性改善のための円筒形ひげぜんまいなどがある。

九州男児が好む実用時計の意外な選択基準

「本当は、すべて“IWC”の新作だけでノミネートが埋まってしまうのではないかと心配しました」

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木村さんのセレクト基準は「信頼性」。機械の耐久性と同時に、正確に時を刻む基本設計の精度も実用時計には不可欠であると話す。

「“IWC”は洗練されたデザイン性が優秀ですが、確かな信頼性も備わっています。ビッグ・パイロットの文字盤を白に切り替えたことも注目に値しますね。日本限定モデルの登場に、もう時計はこれ一本でいいのでは、と思ってしまったほどです」

「ブライトリング」や「ベル&ロス」など、パイロットウォッチの使用感の良さも、実用的と太鼓判。

「ボタンひとつで、すべての機能が使えるのは便利な機能。それに一般的なカレンダー時計は、カレンダーの修正をしてはいけない時間帯があったり、リュウズを逆回転して表示を調整するのはNGなど、面倒なものです。“パネライ”や“ブライトリング”は、そんな面倒な約束事を知らない機械式時計初心者が安心して使えるという点でも実用性アリと言えるのではないでしょうか」

「エドックス」や「ボーム&メルシエ」など、買いやすい価格設定のモデルも実用時計にご推薦いただいた。ちなみに九州ではここ数年ビッグフェイスの人気が継続中とか。

「男らしくて雄々しい印象がありますからね。小さい時計は、人間もなんとなくコンパクトにまとまってしまうと思われるようです。九州男児は、時計も心意気も大きいです!」

時計宝飾店カミネ代表取締役社長 山田時計

ハイレベルな時計こそ初心者の「実用時計」

「自然界におけるあらゆる過酷な環境下で、正確に時を刻めてこそ真の実用時計だと考えます。耐久性と信頼性を同時に満足させる時計こそ、実用として価値ある腕時計です」

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そのお眼鏡に適ったのは「IWC」インヂュニア・オートマティック・ミッション・アース。前モデルよりケースが大型化し、リュウズガードも搭載された。ムーブメントには耐衝撃システムを組み込み、ラバーストラップでスポーティな意識も高い。

「安定した精度を保て、過酷な環境にも耐えることができる実用時計としては“ボール”が挙がってきます」

同社が誇る耐衝撃特殊バックルと、セーフティロック・クラウンシステムのデザイン変更により、世界最高峰の耐衝撃性能を実現。夜間の視認性を高めるマイクロ・ガスライトなど、実用性に優れるスペックを装備した新作のエンジニア ハイドロカーボン。宇宙飛行士、ブライアン・ビニー氏とのコラボレートモデルである。

「さらに長期使用にも耐えることができ、ローコストで愛用することができる“オメガ”や“ガランテ”も実用時計としてはずせません」

故障などの心配がなく、しかも購入時の初期投資費用も低く抑えられることが重要とは、買い手側からの要求もしっかり理解したうえでの選択。初の自社ムーブメント「B-01」を搭載した“ブライトリング”も、機械式初心者にも安心して使えることを理由に上位に推挙。「実用」とは、環境だけでなく使い手のレベルをも問わないことと、再確認させてくれた。

世界初の”マスター クロノメーター”搭載モデル グローブマスター

時計業界に新基準を確立

2月25日、オメガは時計業界の新たな基準となる“マスター クロノメーター”を世界で初めて取得した、最新モデル「コンステレーション グローブマスター」の日本上陸を記念し、マスター クロノメーターについてのプレゼンテーションとレセプションパーティがスウォッチ グループ ジャパン 本社ビルの シテ・ドゥ・タン ギンザで開催した。
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初めのプレゼンテーションでは、スウォッチ グループ ジャパン株式会社 代表取締役社長 兼 オメガ事業本部長のクリストフ・サビオ氏が、オメガのブランド名がキャリバーに由来していることに触れながら、初のマスター クロノメーターを搭載したグローブマスター コレクションの重要性を強調すると、オメガ本社 プロダクト開発兼カスタマーサービス副社長、ジャン=クロード・モナション氏からは、マスター クロノメーターの厳しい基準について説明された。

モナション氏は「オメガにとって、マスター クロノメーター認定を受けたグローブマスターの発表は、顧客がより優れた時計を⼿にすることができることを意味し、その開発を非常に誇りに思っています」と述べた。会場では時計技師立ち合いのもと、グローブマスターに非常に強力な磁石を近づけても磁気を帯びないという耐磁性を実証するデモンストレーションも行われた。

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マスター クロノメーターの認定テストは、時計業界の中で最も厳しいもので、オメガとスイス連邦計量・認定局(METAS)の共同開発による、10日間に渡る8種類のテスト項目が設けられている。COSCの認定テストがムーブメントのみを対象としたものであるのに対し、METASのテストはムーブメントに加え、日常的な時計の着用を想定し時計全体が検査対象となる。グローブマスターの購入者は、オメガのウェブサイトにてそのグローブマスターの各テスト結果を確認することが可能となる。

セント バレンタイン 2016 レディバードの限定モデル

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1956 年以来ブランパンのウーマンコレクションの代表作として名を馳せているレディバードは、発売当時世界最小の丸型時計であった。非常に特徴的な、その小ぶりなサイズと、丸型というデザインに加え、一年の中でも最もロマンチックな日に愛を伝えるのにふさわしい限定モデルが登場する。

 今回の限定モデルは、ブリリアントカットのダイヤモンドをインデックスの部分にあしらったマザーオブパールの文字盤を採用し、ハートに模ったマザーオブパールの上部には、ダイヤモンドとルビーがセッティングされ、贈り手側の気持ちを受け取り手側に間違いなく伝えられるように工夫されている。

また、最も象徴的に目に飛び込んでくるのは、時計の6 時方向からハートを射抜く矢のモチーフだ。この取り外し可能なチャームは、ホワイトゴールド製で、ハートの部分にはルビーを、矢の部分にはダイヤモンドをセッティングしており、2015 年のバーゼルワールドで発表されて以来、チャームはすべてレディバード専用に創作されており、ユーザーの好みで12 時または6 時の位置に簡単に付け替えができるようになっている。世界99 本限定で、刻印されるシリアル番号に大切な人への気持ちを込めて、ただ一つの贈り物をしてみてはどうだろうか。

良価な新作時計がジュネーブで続々発表

今年のジュネーブサロンで目立ったのは、リアルな価格の好モデルの充実。ハイコストパフォーマンスの新作が数多く発表された。

今年も1月にジュネーブサロンが開催された。今回、目立ったのは、リアルな価格の好モデルの充実。ハイコストパフォーマンスの新作が数多く発表されたのだ。

例えば、IWCが一大コレクションへと発展させたポートフィノはその代表。ボーム & メルシエが久々に復活させたケープランドもそう。ラルフ ローレンも好評のスポーツコレクションに軽快な新作を追加。ヴァシュロン・コンスタンタンは得意の複雑機構による画期的なワールドタイムを魅力的な価格で実現した。

そうしたことの一因は、今の経済不況にあるのだろう。しかし、それだけではないのである。

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ここ数年の世界的好景気による複雑機構などの大作の一大ブームは、確かに、意義あるものであった。だがそれが各ブランドの個性を希薄にしてもいた。ブランドの個性はそうした特別なモデルにではなく、伝統のなかで生まれた中核モデルにこそ表れるからだ。

そして今年の新作の多くは、その中核モデルなのである。つまりリアルな価格は、各ブランドが再び個性の発揮に力を注いだことの、その大きな証左でもあるのだ。

だから今年の新作は本当に見応えがある。それにリアルな価格の魅力的なモデルが増えたため、選択肢が大幅に増えた。それが時計ファンとしては、うれしいのだ。
文章の出所:URL: http://www.goodstuff-share.com/   2016.03.03