ホワイトボードを使った幾何学の講義をイメージ

2015年のフォルティスの限定モデルは、コンセプチュアル・アーティスト、ロルフ・ザックス氏がプロデュースするアーティスティックな時計だ。

過去にザックス氏がフォルティスのためにデザインした時計は、黒板にチョークで文字を描いたような「IQウォッチ」、風防が凍りついたような特殊加工を施した「フリッソン」がある。どちらも手書きの図案をそっくり転写した文字盤が、ユーモラスなアートを解する人々の心を射止めた。そして、2015年、今度は、さまざまなカラーペンでラインや文字を書き込み、まるで幾何学の講義をした後のホワイトボードのような文字盤を製作。この文字盤に描かれたフォルティスのロゴも、ザックス氏が自ら書いた。

ホワイトボード部分には夜光が塗布されており、暗闇では文字盤自体が青白く輝き、針だけでなく、描かれているグラフィックや文字が幻想的な影となって浮かび上がる。現代的でポップなアートと腕時計の融合は、実に楽しく、独創性を極めている。

タキシードにも合う古典的シンプルモデル

アンティークショップで見つけてきた時計のような、抑制の効いた、しかしエレガントなスタイルの時計である。1940年代にフォルティスが製造していたドレッシーな時計に着想を得てデザインを起こしており、薄く丸みを帯びたベゼルが時計を優しく見せている。さらに、シルバー文字盤と、そのセンター寄りに施されたテクスチャーパターンの装飾が、優雅な雰囲気を醸し出している。ゴールド仕上げのドット+ローマンインデックや細身のペンシル型の時分針、さらにブルーの秒針は、程よいラグジュアリー感と気品を、この時計にもたらしている。しかも、現代の自動巻きムーブメントを搭載しながら、スリムな7.35mmのケース厚に仕上げられている。外装のアンティークライクなスタイルは完成度が高く、見事としか言い様がない。

新コレクション「テレスティス」クロノグラフ

アンティークファンなら懐かしさを覚えるようなデザインのクロノグラフ、それが「タイクーン クロノグラフ」である。タイクーンとは、“君主”という意味で、新コレクション「テレスティス」の中核機となる。

機能的でバランスの取れたダイヤルデザイン、20世紀半ばに発売された腕時計のような薄型のベゼルとシリンダー状のケース、小ぶりなインダイヤル、マッシュルーム型のプッシュボタンといった古典的デザインの要素は、ビンテージ感もタップリ。文字盤は、外周部分に落ち込むようなカーブが付いたドーム型(ボンベダイヤル)で、これもクラシカルな時計に見られた作りだ。採用されているアンスラサイト文字盤は、優雅で落ち着きがあり、その名に違わぬイメージを醸し出している。ムーブメントは、クロノグラフの名手、デュボア・デプラ社製で、信頼性の高いメカニズム。クラシカルな装いに似合うクロノグラフを探している人にお勧めしたい1本だ。